見たもの
横溝正史初読みなので比べられないが安定して楽しめた。
3編あり最初と次のがそれぞれトリック重視、動機を重視した形となっているので多分、最初のを先に書いて次のを人間関係のどろどろの部分が薄かったということで書いたのではないだろうか?
それを踏まえて二つ合わせて一つの長編にしたらいいかなと思う。
最後のは時代を感じるけどまとまった短編ミステリーって感じ。
感染症について分かりやすくかかれていた。
この分野はまだまだ知識不足ながら分かりやすかったのでいい感じ。
中国が今後~と予想がズバリ的中なのがなんとも。
そして発生原因を考えるとやっぱり人類は増えすぎなんだとわかる。
いろいろ発達してきてるけどいずれは頭打ちになって減っていくのは必然というか今後またおかしな病気が蔓延して減っていくんじゃないかと思うと怖いけど仕方ないとも思う。
昔読んでたけど今読むと何かもうよく読めたなという感じに。
あまり深く考えずに時間を潰すという目的で読むならまぁ、って感じ。
文体自体は読みやすい。
これでデビュー作というのだから素晴らしい。
バイタリティー溢れてまさにでかいことをやるために生まれた男という感じで結構好きだ。
戦前から日本人の精神性はあまり変わってないとわかる。
逝きし世の面影を見たら天国という感じだったけどそこから産業革命でこうも変わるのかと。
知らない、わからないというのはある意味で幸せなことだとわかるし何がいいのかを考えさせられる。
一般小説でここまでやるのかというぐらいエログロな話。
設定も時代がかっているが非常に面白い。
最後の司祭の結末がやっつけ感が出てて残念だけどそれ以外は非常にいい。
模範的なハードボイルド物。
前半の謎の散りばめ方から後半の回収の仕方は見事。
描写もマイルドでこういう物が好きならあり。
まさしくラノベでやっていいのか?と言った内容に。
大御所作家として現在の若者に言いたいことがあるんだなとわかる。